父親の哀しみ

いつ見ても、虎若の父ちゃんはいい味を出している。(そういえば、虎若の父ちゃんは佐武昌義って名前だったと思うが、EDではなぜかきちんと名前が出てこない)

帰宅した虎若に飛び上がらんばかりに駆け出すところなど、鉄砲隊の頭領とは思えぬかわいらしさである。思うに、忍たまキャラの中で、男の哀愁をもっともその背に漂わせているのは虎若の父ちゃんではなかろうか。

 

その佐武昌義氏が思いを共有できる相手と見込む山田先生もまた男の哀愁キャラであるが、山田先生の場合はすべての不条理や苦汁を内面にたくしこんで、ただその背に一抹の哀愁を漂わせる男であるとともに、伝子さんになった時のフリーダムぶりでだいぶ発散してると思われるので、やはり哀愁キャラとしては昌義氏には及ばないと言わざるを得ない。

 

というわけでキャラが確立している昌義氏に対して、息子の虎若はまだキャラが安定していない、というか、今日のお話を見ているとちょっと多重的なものを感じる。ストイックに筋トレに励んでいたかと思うと、山田先生に謝る場面は妙に口調が軽いし、照星さんにあこがれるオーバーアクションぶりは完全に四年の先輩が伝染している。いったいどうしたのだこの子は。

 

「ばっかもーん!」と怒鳴る山田先生に波平を見た件について。

そして、ようやく息子に振り向いてもらえた昌義氏の本当にうれしそうな表情に、なにかいろいろな可能性を感じた。